白雪姫をテーマにしたグループ展のための作品です。
白雪姫からのイメージをイラストにし、3冊の小冊子にしました。

玉しきというドット柄のかわいらしい用紙を表紙に使用していますが、中身は毒やこわさを感じるシーンを抜粋したものになっています。

それぞれめくると絵柄が変わったり、隠れていた要素が見えたりするなど、
ちょっとした仕掛けをつけています。

 鏡は答えていいました。
 「女王さま、ここでは、あなたがいちばんうつくしい。けれども、わかい女王さまは、千ばいもうつくしい。」
 (中略)女王さまは、じぶんででかけていって、そのわかい女王さまを見ないでは、とても、安心できませんでした。女王さまは、まねかれたご殿にはいりました。そして、ふと見れば、わかい女王になる人とは白雪姫ではありませんか。女王はおそろしさで、そこに立ちすくんだまま動くことができなくなりました。
 けれども、そのときは、もう人々がまえから石炭の火の上に、鉄でつくったうわぐつをのせておきましたのが、まっ赤にやけてきましたので、それを火ばしでへやの中に持ってきて、わるい女王さまの前におきました。そして、むりやり女王さまに、そのまっ赤にやけたくつをはかせて、たおれて死ぬまでおどらせました。

青空文庫

この結末から着想を得て、つくったのがこちら。
幸せそうなふたりの背中をめくると、ホールで赤い靴をはいて踊らされている継母がいます。

他制作したイラストです。

(2014年制作)